サンノゼ空港からサンフランシスコ方面へのアクセス

先のブログページでも書いたように、ZIPAIR の就航もあって、サンノゼ空港はややマイナーながらも、サンフランシスコベイエリアで確実に使える空港になってきている。そこで、空港からのアクセス方法を詳しく書いてみたい。

サンフランシスコ方面へのアクセス

ベイエリア各地へはレンタカーを借りると一番アクセスはスムーズ。料金は保険など込みで、およそ1日100ドルくらいを見込んでおくと良いだろう。
サンフランシスコの中だけならば、レンタカーは不要。むしろ駐車スペースがなかったり、駐車場が高かったりするので、バス電車などで動くのが良い。

レンタカーを借りない時に、サンノゼ空港からサンフランシスコ方面へ出るにはどうすればいいか書いてみたい。

Caltrain

サンフランシスコ方面ならば、UberでSanta Clara駅に行き、そこからCaltrainという郊外電車に乗るのが一番スムーズだろう。Uber は10-15ドルが目安。

一番の注意点としてCaltrainは、1時間に2本程度と本数が少ないこと。しかも、均等に30分間隔でもない。カルトレインのサイトに時刻表があるので、あまり駅で待ち過ぎないようなタイミングで空港から出発するといいかもしれない。

カルトレインの乗車時間は、急行であればサンフランシスコまで1時間未満。座席はゆったりしていて快適。二階席に座って景色を眺めていれば、時間が経つのはあっていう間。天気が良い時など、もっと乗っていても良かったと到着したら感じるかもしれない。

料金は片道16ドル程度。切符がなくても一応電車には乗れるが、3-5回に一回の割合くらいで検札にくるから、あらかじめ切符は購入したほうがいい。持ってないときに見つかると、住所を聞かれたりペナルティ額を支払ったりと、良いことがなさそうだ。

カルトレインが到着するサンフランシスコ駅は、ダウンタウンから結構離れている。ダウンタウンの中心、ユニオンスクエアまではキビキビ歩いても20分はかかる。カルトレインの駅の前にいろいろな行き先のバスが頻繁に止まるから、乗り継ぎは難しくない。

サンフランシスコに着く前に、途中Millbrae駅でBartという地下鉄に乗り継ぐことも可能。こうすることで、ダウンタウンの真ん中まで、そのまま地下鉄で行ける。体感としての楽さは、終点のサンフランシスコ駅まで行ってそこからバスに乗り継ぐのと良い勝負にはなる。

Bart

サンノゼ空港からMilpitas 駅までUberで行き、そこから地下鉄Bartにのってサンフランシスコ市内に出る方法もある。

メリットは、Bartは頻繁にサンフランシスコ方面の便が出ているので、カルトレインのようにタイミングを計っていく必要がほぼない。そして、Bartだとダウンタウンの中心にも駅があるので、駅を降りてから即見どころを楽しめること。また、カルトレインよりも運賃は、半額といかないまでもかなり安い。

逆にデメリットは、なんといってもMilpitas駅までが空港から遠いこと。目安、Uberでも20分くらいはかかってしまう。Milpitas 駅では、ICカードのチャージは問題ないものの、筆者は切符を買ったことがない。もしかしたら、切符を買うときにトラブルあるかもしれない。

バックパッカー向けに

出来るだけお金を使いたくないバックパッカースタイルでは、サンノゼ空港から市バス60でカルトレインの駅であるサンタクララや、Milpitasに行くのがよい。というのも、空港からバスに乗る場合、運賃はタダだからだ。
バスの頻度もまずまずあって、15分間隔で運行している。空港の建物を出ると、広い道路の真ん中に島のような形の乗り場があるので、比較的すぐ見つけられるはず。
注意することは、サンタクララの駅にいくWinchester 行きと、Milpitas行きが、全く同じ方向の乗り場に着くこと。油断していると、逆方向のバスに乗ってしまうこともあり得る。運転手に行き先を確認して乗ると確実。


やや裏技

サンノゼ空港から2から3時間おきくらいに、サンフランシスコ空港に直行するバスが出ている。タイミングがあえば、これに乗ってサンフランシスコ空港に行き、そこからBartなどに乗るのもいいかもしれない。

サンフランシスコエリアにはZIPAIRでサンノゼ空港がおすすめ

やや安いサンノゼ空港行き

サンフランシスコにもzip airは飛んでいるが、サンノゼのほうが若干ながら安くなっていることが多い。サンフランシスコが昼すぎに到着のところ、サンノゼには朝に到着など、時間がずらされてあるので、価値があることもあるかもしれない。

サンノゼ空港からレンタカーを借りるならば、ベイエリア各地へのアクセスも問題なさそう。サンフランシスコ空港へこだわる必要もないだろう。

ただし、レンタカーを借りない場合は少し面倒。サンフランシスコ側のエリアに出るためには、Caltrainという郊外電車が一番現実的だが、1時間に2本程度しか走っていない。しかも土日は基本、急行電車が走ってないので、かなり進みが遅くなる。
そうは言っても、一度乗れば快適。景色のよい2階席に座れば、旅気分満喫できることは間違いない。詳しくは、下のアクセス欄参照。

ZIPAIR ここが素晴らしい!

燃油サーチャージこみで考えると、大手の航空会社の半額以下の運賃。機体も大きいし、乗り心地よ全く問題なし。機内のWi-Fiも無料で使えるのがいい。しかも、食べ物の持ち込みが可能!成田の搭乗口近くのコンビニで食料と飲み物を買い込んでいくのがいい。
さらに、小さい子供連れに朗報なのが、数万円の追加料金で子供専用の席を自分のとなりに予約可能なところだ。一方、大手だと、もう一人分の運賃をフルで払わないと子供用の席は確保できない。膝の上で子供を抱えておくことにすると運賃はちょっとのアップですむが、10時間ちかくのフライトの場合は現実的でないだろう。

これはちょっと

問題点があるとすれば、キャビンアテンダントのサービスがほぼゼロ。これは、人によって、乗っているあいだそおっとしておいてもらいたい人にはむしろプラスだ。
機内注文は基本スマホでないと受け付けてないので、特に年配の人は不満を感じることもあるらしい。

映画などエンタメ設備がないので、寝るか、本を読むか、スマホで遊ぶか、あらじめ決めておくと良いだろう。ただし、ネットのスピードは遅く、普段の感覚からするとウェブ検索やブラウジングはページの移り変わりが遅く、苦痛かもしれない。とはいえ、ページを移動しない画像コンテンツ、例えばYouTubeをみることは余裕でできた。

アルコールだけは持ち込みが一応禁止。機内で購入してもビール6ドル程度と高くはないが、これができるとなおよい。ただし、キャビンアテンダントが巡回することも大手に比べると格段に少ないので、珍しいお酒を飲んでるとかでなければ指摘されることもないかもしれない。

40歳から始めるシリコンバレー、のぼやき

シリコンバレーの現地の大手企業でソフトウェアエンジニアをやってます。

日本での会社員生活を脱サラして、アメリカに来たのが既に35歳。

そこから自動車関係の部品会社に勤めて、念願のシリコンバレーでソフトウェア企業に転職したのが既に40歳手前。

巷でよくソフトウェアエンジニア35歳定年説なんていうのですが、自分の場合、本当の意味でキャリアが動き出したのが35歳超えてからになってます。

 

しかし、、、最近苦労すること。

転職するとあらゆるツールが一気に馴染みのないものになった。コーディングの環境はもちろん、会議の議事録の取り方や含めて全て一新なので、これまでの要領をすべて捨て去る勢いで、吸収するしかない。若いとこういうIT環境について行きやすい気がするんだよなぁ。

製造業や建設だと、経験の蓄積がものをいってシニアほど有利なのは想像できるとこだけど、こう、ツールもどんどん新しくなって、やり方も刷新が続くような状況だと、若さゆえの知識を吸収できる力が、シニアであることの利点に勝るような気がするんだよね。この傾向はこれから加速するし、ソフトウェアを震源にしながらも他の業界にも拡大していくでしょう。中年でサラリーマンやるのは、確実に昔の方が快適なんでしょうねぇ。

 

シリコンバレーのエイジイズム。アメリカでも、ソフトウェア業界にはエイジイズム、つまり、中年以降の層が転職しづらい傾向にあるといいますね。多分日本でもそうでしょう。

しかし、自分の周りに限ってみると、、これは本当か?という気がします。たしかに、40歳の自分から見ると若い層のほうが人数的には多くはなっている。が、採用する立場からすると、必要なスキルを持っていることのほうが、年齢よりも10倍大事だと思う。しっかりコーディングできて、ポジションの専門知識があれば、そして、それを面接で表現することさえできれば、誰でも関係なく是非採用したい、が本当のところと思います。

あとは、日本人は若く見られがちだから、40歳が30歳中心のグループに入っても、なかなか違和感なしで気楽なのも、精神的なところではありますかねぇ。これは自分だけかもしれません。。

【英語を学べるYouTube旅行記】危険地帯レポートチャンネル The People ざ・ぴーぽー

英語教材としてYouTube映像をあさる日々。
YouTuberがやや際どい海外に行って、臨場感あふれる映像を届けてくれる旅行記は、その中でもワクワクするジャンルの一つ。
今回も、日本人目線で面白そうな動画を発掘しておすすめしたい。

星の数ほどある海外の映像作品には、興味奪われて永久に見入ってしまうものと、十秒ももたないものもある。
英語教材としてYouTube映像をあさる日々にあっても、最近特に刺激的だったのはこちらのチャンネル「The People」にある動画たち。
たとえば、この動画はチャンネルのなかで、現時点最新のもの。
www.youtube.com

このロシア人のYouTuberは、きわどく、デンジャラスな海外の国々に赴いては現地の様子をレポートしてくれる。
英語は吹き替え形式で、かなり早め。もともとは、ロシア語で映像を作って、外注か何かで英語版も作ってるんでしょうな。イギリス系の英語で吹き替えがされている。

その国の良いところも取り上げながらも、随所にツッコミとキレのある皮肉を織り交ぜてくるのがこの方独自のスタイルのようです。(ロシアの方は皮肉な人が多いんかな。個人的にこれまで関わってきた人たちにも、その傾向があったり。)
個人的には、このPeopleチャンネルの中では北朝鮮編がMaxの面白さか。

Peopleチャンネルの残念なところは、英語版の動画の数がまだまだ少ないこと。ロシア語版はすごい数の動画を上げてるのに。ロシア語→英語に、まだまだ吹き替え翻訳が完了している動画の数が少ないのでしょうな。
それでも、少数ながら上がってる動画の出来というものは一様に洗練されているので、どれもおすすめ。
それにしても、身を削りながら取材しているこのYouTuberの身の安全が心配です。

☆The Peopleチャンネル☆
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【YouTube旅動画】Drew Binskyの旅行記 - 愉快な旅行家。そして日本にもやってきた。

今回は、世界を旅する旅行者Drew Binskyの動画をご紹介。サンプルとして、日本についてリポートした動画のリンクを付けておきます。


Youtubeを見るのは専ら日本語。それでも数え切れないほどのコンテンツがあります。
しかし、英語のコンテンツも含めて考えると、さらに大量の素材があるでしょう。ところが、どの動画から見たらよいものかわからなーい。
英語は少しはわかるけれど、多くの動画を見まくって、面白いものに行きつくまでのスタミナがもたないよと。
そんなあなたに、海外に住む私が、日本人の目からからみてもとっつきやすい、しかし、一度見てしまうと必ず続編もみてしまう、そんな海外動画を紹介しましょう。


今回は、世界を旅する旅行者Drew Binskyの動画をご紹介。

彼は世界すべての国を回り切ることを、ライフワークとしているとのこと。
もちろん、日本についての動画もこちらに。
www.youtube.com
。。。最先端の技術を誇る国だそうな。自販機や自動改札なんかは、身近にあるガジェットですね。身近にありすぎて、逆にその特異なすごさに気付かず使っちゃってますが。

一般的な旅行記というより、ある国について特徴的なことをパパっとテンポよく箇条書き風に語っていくのが彼のスタイル。日本への動画もそのスタイルですね。
多くの旅行記にある、その国への没入感というより、短い時間で効率よく、いろいろな国の様子や事情を知れるのがよいところ。


いろいろな国の視聴者を意識してか、多くの動画ではわかりやすい字幕がデフォルトで入っているのもうれしい。上の日本についての動画には入ってないかな。残念。。
話している英語も、少し早めながら、短く簡単で聞きやすいかと思います。

気になったらぜひ、日本以外のシリーズも見てみてください。(実は大量かつ無尽蔵にあります)

☆Drew Binskyチャンネル☆
www.youtube.com

【英語で聞く自伝】世界をだました男:Catch me if you can(フランク・アバグネイル)

英語で収録されているYouTubeのなかから、勉強になりそうなムービーを紹介していく。

今回は、トム・ハンクス、レオナルド・デカプリオ主演のCatch me if you canという映画のモデルになった、いわば天才的詐欺師、アバグネイル氏のGoogleでの講演。元詐欺師でありながら、現在はFBI捜査官として働いている。

youtu.be

映画の予告編はこちら

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講演の語り出しは、両親の離婚がきっかけで家を出て、16歳にして経済的に自立しなければいけない状況に陥ったときの回想から始まる。預金がないので、不渡りになるような小切手を振り出すことでなんとかお金を手に入れるも、ほどなく警察に追われることになる。当時いたニューヨークから逃げなければと思っているところに、偶然ホテルの前で航空会社のパイロットや職員をみかけたのをきっかけに、航空会社に入り込んで、タダで各地に逃亡することを思いつくのだった。

ハイライト

  • 偽の制服とIDカードをつくってパイロットになりすますことに成功。様々な会社の飛行機に乗り込んで、世界中をタダで旅した。しかも旅先で、航空会社の負担でホテルにも泊まったし、航空会社の社員としての制度を利用してあらゆるところで小切手を現金化することもできた。(5:53)
  • やがて、21歳のときにフランスで逮捕された。スウェーデン警察から出たインターポールの逮捕状によってだ。フランス、スウェーデンで服役したのち、アメリカに送還されて、12年の懲役を言い渡された。ところが、4年経ったときに、FBIに取引を持ちかけられ、応じることとなった。それは、釈放するかわりに、刑期の間はFBIのために働くことだった。刑期後も勤務をつづけ、今まで41年間FBIに勤めている。(16:36)
  • (質疑応答にて)Q.詐欺師だったときに、その自信はどこから出てきていたのか? A.若さゆえのことで、捕まることも怖くなかったし、ただ単に向こう見ずだった。私のすべての詐欺の手口は、なりゆきから偶然思いついていったもので、計画したものではない。そもそも、自分のやっていることを信じるならば、他人がどう思うかは関係ない。自分を疑い始めた瞬間、それは他人にも見えて、弱みになる。だから自信はもっていなければならない。(28:08)
  • 最後に、パスワードによる個人認証はすぐになくなるだろう。パスワードはサイバー犯罪の温床である。銀行では、パスワードがあることで大変なコストがかかっている。似た意味で、社会保障番号もなくなるだろう。これらにかわって、CIAですでに実用になっている認証システムがこれからは民間で主力になる。(56:37)

講演での詐欺師としての自伝を語るときは、50年まえにもかかわらず、まるでその時のシーンが目に浮かんでくるくらい臨場感がある。当時の話はとうとうと途切れることがなく、下のメモに目を落とすこともない。おそらくアバグネイル氏の目の前にあるのは、そのときの出来事が起こったときの鮮明な視覚的イメージなのだろう。

あらゆる虚偽の身分を他人に信じ込ませることを完璧にやってのけた人だが、現在の話し方を見てもそれは納得できる。瞬時にストーリーを紡ぎ出す話しかた、自然に溢れ出る自信といったものに悪い動機が加われば、昔の姿も想像にかたくない。

なお、詐欺師としての生活からはじまった講演も、最後は家族に対しての思いを語ることで締めくくられる。いまは独立している3人の子供のことを話すときや、奥さんのことを話すときはとても誇らしげだ。

【英語で観るYouTube】実業家が語る、なぜ成長しようとするマインドセットが重要なのか?

英語のYouTubeの中から、面白かったものを紹介していく。

Tom Bilyeuは実業家。自身のYouTubeチャンネルでは聞き手になっていることが多いが、今回は語り手として実業家としての持論を展開している。前半は成長をうながすマインドセットについて、後半は理想的な食生活についての内容。

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ここでの英語は難しい。種類としては、米国英語とイギリス英語が7:3くらいで話されている。対談のなかで、面白い部分を要約して紹介したい。

ハイライト

  • 聞き手の心に響くようにするには、内容と同じくらい、語り方が大事である。まるで演じるがごとく。単に言いたい内容を伝えることではなく、熱意をともなったメッセージを発信することで相手に響くのである。話すペース、リズム、声のトーンを変えていくことも有効なツールである。加えて、意図的に大きく表現したりリアクションしたりすることで、話し手の脳もプラスの刺激を受ける。体から発する動作と脳は互いにつながっているからである。(1:34
  • 理想的なのは、「学び続ける者」というアイデンティティを身に着けることだ。そうすれば、例えば逆境にあっても柔軟に学び続けることができる。その時々の成功や失敗にも左右されない。結果によらず、学ぶという目標でみると前進しているからだ。しかも、学ぼうとする心を持つことで、ほかの人の批判する言葉に対して傷つくことがなくなる。なぜなら、いかなる批判の中にも、自分を向上させるためのヒントがあるからだ。(24:11)
  • 繰りかえしにはパワーがある。ポジティブな言葉を繰り返せば、やがてはそれが現実になる。たとえそれが無理でも、ネガティブなことを繰り返さないだけで効果がある。自分の中で繰り返しているポジティブな目標が、およそ実現できないとしてもそれでも良い。むしろ、その目標に毎日向かっているプロセスによって、自分自身をプラスに評価するようになる。実業家としても、これは必要なことである。自分自身を信じることができなければ、他人に自分の考えを信じさせることなどできないからだ。(36:38)

 

最初のポイントである、事実を伝えるだけにとどまらず、声のリズムや抑揚を変えながら話すスタイルというのは、映像を見ると本人が実践しているのがわかる。今回の語り手だけでなく、テスラのイーロン・マスクなど、実業家の話し方をよく聞いていると、必ずしも話の組み立てが論理的なわけでもなく、内容が簡潔なわけでもないことがわかる。しかし、熱意を込めて、思いやビジョンを伝えるという点でのエネルギーやテクニックは卓越したものが見える。

企業や学校では、論理的な文章や伝え方に重点がおかれがちで、そういったスキルの教育を受ける機会はあると思う。それにプラスして、どのように話し方を演出すれば、自分の考えや信条を聞き手に売ることができるかという、いわばパフォーマンス観点での情報の発信のしかたを、これからはもっと啓蒙してもよい気がする。

 

面白そうだと思ったら、観てみてください。

 

【YouTube講義】元CIA捜査官が語る、嘘の見破り方

英語のYouTubeムービーの中から、面白かったものを紹介していく。

今回は、元CIA捜査官が語る、相手が嘘をついているときの見破り方。

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最初の映像が面白い。取り調べにおけるインタビューの映像が出てきて、この人は嘘をついているでしょうか、という問題が出される。

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https://youtu.be/pni_kDv9BsU?t=335

私が最初に見た時の印象では、表面上の怪しさは満載なのだが、嘘をついているかどうかはなんとも判断できなかった。この講義では、返答の特徴や、体の動きなどの手掛かりから、人が嘘をついているときに見抜くための方法を教えてくれる。

相手が嘘をついているときの特徴としては、いくつも解説してくれているのだが、中でも面白いと思った部分を要約とともに紹介したい。

  • 質問をしたときに、相手を説得するように語り始める。例えば、はい、いいえでダイレクトに質問に答えるかわりに、「私がそんなことをする理由はないでしょう?」などと説明し始める。(30:47)
  • 言葉とからだの動きが自然に連動すべきところで、一致していない。はい、といいながら頭を横に振るなど。通常は、やろうとしても難しいことなので、かなりストレスが掛かっている状態といえる。(39:14)
  • 体が不自然に動く。足を組んでいるときに、足の先が動くときには要注意である。顔や髪、ネクタイを頻繁に触るときには、言えないことを隠そうとしている場合がある。(40:36)

いわれてみると、そうかもなと思わせられるものばかりだが、相手の受け答えに注意を払っていないと、こういうサインをピックアップすることは難しそうだ。反対に、これらのキューに注意を払い過ぎると、正直に語っているのに、嘘をついていると判断してしまいそうだ。だからこそ、実際の場面で精度よく使っていくにはCIAのようなプロが必要だということが隠された結論かもしれない。

 

面白そうだと思ったら、観てみてください。

【Talks at Google 】「予想どおりに不合理」(ダン・アリエリー)の紹介

英語のYouTube ビデオで面白かったものを、要約とともに紹介していきたい。

Dan Ariely氏は行動経済学者で、イスラエル出身。著書などを通して、私たちの意思決定というものが、いかに理にかなわないものか主張している(↓この講義からのイメージ)。

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一方で、そういった意思決定は、不合理ではあるが、そのパターンは予測可能なものだとも述べている。

今回はTalks at Googleへの出演。

 

youtube

 

ハイライト

  • 騙し絵の錯覚に、わかっていながら何度も陥ってしまう。視覚ですらこのように簡単にだまされるのであるから、視覚以外の錯覚についても身の回りにあると考えるのが自然だろう。(7:56)
  • 意思決定の背景が複雑になると、我々は決定に主体性がなくなって、あらかじめ決められたデフォルトの選択肢を選ぶようになる。実は、我々は好みや本当にしたいことが元から決まっていないことが多いのだ。(11:13)
  • 似たような選択肢選ぶ場合、本質的ではない取るにならない要素によって意思決定が影響される。たとえば、似すぎていて混乱させるような選択肢がいくつかあると、まったく違う選択肢が選ばれがちになる。また、おとりになっている第三の選択肢のありなしによっても結果がかわる。選択肢の数が多すぎても混乱を招いて意思決定に影響を与えてしまう。(25:34)
  • 人は、ほんの少しだけ、自身の利益にかなうように、小さな嘘をついたり、誇張したりということをする。大抵の人は少ししかズルをしない。自己的なイメージとして、善良な人間でいたいからだ。どのくらいズルをしがちか、というのは環境によってかわる。同じ価値でも現金よりモノのほうが盗られやすかったり、あらかじめ誓約をしたほうがインチキをしにくくなったりと、環境が個人の倫理観を刺激するかどうかが効いてくる。(31:40)
  • ここにいる人たちで実験してみよう!一度モノを所有してしまうと、所有していない者よりも、そのモノの価値をより感じるようになる。この場の簡単な実験でわかるように、価値というものは主観的な観念である。(50:42)

 

選択の自由があることは、一見良いようにみえて、我々はかえって混乱するのかもしれない。現代は、祖父母の時代などと比べて、人生設計の自由度があって、多くの場面で好きなものを選択する自由もある。だけど、そんなときに合理的な選択をできているかと言われるとそうでもなさそうだ。

 

面白そうだと思ったら、一度観てみてください。

【インタビュー】現代アメリカ社会の問題(Bernie Sanders)

前回に引き続き、最近観て面白いと思った英語のYouTobeビデオを紹介していく。

Joe Rogan Experience #1330 - Bernie Sanders

バーニーサンダースは民主党から出馬した大統領候補であり、若年層から人気を集めている。いまは民主党からの候補はバイデンに集約されてしまったが、その前のインタビュー。

高齢でありながら、エネルギーがすごい。

 

www.youtube.com

 

ハイライト

  • アメリカは医療費が高すぎる。その理由は、製薬会社と保険会社がお金を取りすぎているから。製薬会社は何も規制されることもなく、自由に価格を決めているのだ。そして、多額の収益をあげて、政治への影響力を持ちすぎてしまった。(10:03)
  • 富が偏りすぎているのがアメリカの問題。大企業を経営する大金持ちから税金などの形で十分にお金が取れていない。色々な手段でそれを免れていていて、違法ではない。なぜか。彼らが、そもそも法律づくりに影響を与えているからだ。(21:20)
  • 教育も貧しい人には行き届かない。大学生は多額の借金をもって卒業し、何十年もかけて返済しているのが現状だ。昔は、公立大学はほぼタダ同然だったのにだ。しかも、今は大学の学位は特別なものではなく、企業が必要とするスキルを身につけ、中流階級に入るために必要なものである。(24:47)
  • 銃によって一度に多数の人が殺される事件が立て続けにおこっている。これは、社会にマシンガンのような兵器を含めた銃がはびこり、しかも精神的に不安定な人も相当な数いることが原因だろう。これを防ぐには、銃の売買にもっと規制が必要である。(31:57)
  • ドラッグの溺れていく人を減らすには、若い層が教育プロセスを全うして、まともな仕事につけるようにすることが大事だ。教育プロセスからドロップしたものがドラッグの餌食になるからだ。しかも、田舎では従来あった仕事が中国などに奪われている。そうすると、お金を稼ぐ手段も精神的な希望もなくなり、薬やアルコール依存に走るのだ。これを解決するには、教育に国として資源を注ぐ必要がある。(48:32)

 

もし面白いと感じたら観てみてください。

近未来の展望:複数の宇宙とは?、宇宙人はいるのか?、不老不死は可能か?(ミチオ・カク)

 

Michio Kaku: Future of Humans, Aliens, Space Travel & Physics | Artificial Intelligence (AI) Podcast

ミチオ・カク氏は日系アメリカ人であり、理論物理学者。物理学者からみた近未来の人類と宇宙の姿を伝道するような本を何冊も出していて、今回はインタビュー形式で独自の考えを広めている。

 英語難易度:2/5

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https://www.youtube.com/watch?v=kD5yc1LQrpQ 

  • 今はなしているこの瞬間にも、どんどん宇宙が生まれている。
  • 宇宙人が来たとして、人間と価値観を分かち合うことは難しいだろう。ちょうど私たちが、リスと話そうとするように。
  • 宇宙人が来たとしたら、我々は滅ぼされるだどうか?SFで描かれているような恐怖に反して、我々に構いもしないのではないだろうか。私たちはなにも彼らの役に立つものをもっていないのだから。我々が価値があると思っているものは、彼らにとっては無価値だろう。
  • 宇宙人は自分たちに見かけが似ているだろうか。高度な知能を持つためには、双眼、親指、言語と等価なものがある必要がある。そういう意味では似ているかもしれないが、さらにサイバー化してコンピューターと融合しているかもしれないので、似ていないかもしれない。
  • 未来には、脳にチップを埋め込んでコンピューターとつながるだろう。映画のようなエンターテインメントも視覚聴覚経由ではなくて、脳にダイレクトに送られるようになる。コミュニケーションも脳と脳で直接伝達されるようになる。
  • 我々の存在をデジタル化することができるようになるだろう。肉体は死んでも、中身のデジタル化した中身は生き続ける。そうすれば、宇宙を光速で移動することもできる。自分の分身にその中身を注入することもできる。ちなみに、宇宙人はもう実現しているかもしれない。我々がこれに気付く技術がないだけだ。
  • ミトコンドリアにおいて遺伝子がコピーされるときにエラーが蓄積されることで我々は老いる。仕組みはわかっているので、これを克服することができれば不老不死も夢ではない。
  • 死ぬというコンセプトは日々身近なところにある。我々がライフステージを意識しているのも死ぬときが決まっているからだ。ある年齢で高校に行ったり、大学を卒業し、結婚をある年齢で意識するのも、人生に終わりがあるからだ。
  • アインシュタインは、ひも理論までたどり着けなかった。彼は3回の挑戦をした。1回目は特殊相対性理論、2回目は一般相対性理論だった。三度目に挑戦したときには、彼は視覚的なイメージをなくしてしまっていた。
  • 我々や地球、宇宙全体がシミュレーションであるという説があるが、おそらく違うだろう。宇宙に含まれる情報がとてつもなく多いからだ。我々は量子コンピュータのように情報量の多いものも手にしようとさえしている。そのような莫大な情報をシミュレーションできるコンピューターは(その宇宙自体を除いては)存在しないだろう。そして、進んだ文明が我々のような不完全な存在をシミュレーションする合理的な理由もない。
  • 太陽で起こるような核融合が実現できれば、ほぼ無尽蔵にエネルギーを生み出すことができる。現状では、安定に反応を維持することが難しいのだが。
  • 火星探索には意味がある。何らかの理由で地球に住み続けることができなくなったときの保険として。仮に6度火星の温度を上げることができれば、極地にある氷は解け、水の惑星へと変わる。衛星を設置するなどすれば、6度上昇させることは可能だろう。

【YouTube映像レビュー】心と体にまつわるレクチャー

 外国のYoutubeビデオクリップから、面白かったものを紹介する。今回のテーマは、心と体の調子を整えて、パフォーマンスを上げるにはどうすればよいか。

 

Sleep your way to happiness

寝るということはどういうことか。科学的には、質の良い眠りは幸せへのカギへとなっているようだ。

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  • 寝て起きる体内時計は、地球が24時間単位で昼と夜を繰り返すという環境に適応して生まれたものである。
  • 血圧、倒れて死亡する確率(午前中に多い)、知的な作業効率(早朝に悪い)に一日のなかで規則的なリズムがあるのも、この体内リズムによって引き起こされる。
  • 我々は3割の時間を眠りに費やしている。近代になり明かりが安価に提供されてから眠りは時間を無駄につかうものとみられがちになってきた。
  • 【情報処理】眠っている間に、情報の処理が進められ、起きているときの活動がクリエイティブになる。意識が向く方向もネガティブになる。
  • 体内時計は、目から入る光によって補正される。目の中の補正用の光を受容する細胞によるもので、これはモノを見る細胞とは異なるものである。
  • 日が暮れた後に光を見ることで、体内時計は遅れる。逆に、日の出前後に光をみると、体内時計は進む。
  • 睡眠の習慣が短くなることで、昼間にコーヒーなどの刺激物をとり、寝る前にアルコールなどの睡眠導入剤を飲むというループに陥ってしまう。

How To Optimise Your Brain Health with Dr Rahul Jandial

脳外科医が脳科学の立場から、日々のパフォーマンスを最大化するにはという観点で話題を提供する。日眠り、食事が与える脳への影響。中でも面白いのは、リラックスした状態で実力を発揮するFlow Stateといわれる状態(https://youtu.be/8HzqKg4lPH4?t=1101)についてのディスカッション。スポーツ選手が本番で持っている実力を発揮するときや、外科医が手術を執り行うときには、プレッシャー下でのパフォーマンスが要求される。理屈であれこれと手足の動きを考えるでもなく、失敗したらどうしようと前頭葉でマイナスの考えを巡らせるでもなく、できるだけ普段どおりの動きをすることが必要だ。プレッシャーがかかった状況でこの状態を実現するのに鍵になるのが、意識しながらの深くゆっくりとした呼吸だということを、脳科学の立場から説明している。

インタビューアーも医者であるので、医者同士の対談という設定も面白い。

www.youtube.com

Artificial Intelligence (AI) Podcast レビュー2

 前回に引き続き、Lex FridmanのAI Pod castからおすすめできるビデオクリップを紹介していきたい。AI分野でキーマンとなっている著名人の考えを、Lex Fridmanが巧みに対話形式で引き出していく。

1.Simon Sinek: Leadership, Hard Work, Optimism and the Infinite Game 

英語難易度:3/5 標準的なアメリカの英語。意図的にスピードや強弱の変化をつけている。

 

企業が競争することの長期的な意味は何なのか。企業におけるリーダーにはなにが求めれているのか。我々はがむしゃらに働くべきなのか。つまるところ、なんのために働いているのか。こういった問いに、一つの答えを与えてくれる。

熱意が言葉に乗るように工夫されたスタイルで話している。いかに人の心に響くように考えを語るかというプレゼンテーションの観点でもSinek氏の話し方は参考になる(もちろん、すぐマネはできないが)。

 

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https://www.youtube.com/watch?v=_TTNGq9djU4

 

 

2.Garry Kasparov: Chess, Deep Blue, AI, and Putin | Artificial Intelligence (AI) Podcast

英語難易度:3/5 ロシア?のアクセントがあり、最初は聞きとりずらいかもしれない。文章はシンプルだ。

2005年に引退するまで、チェスの世界にNo1として君臨したKasparov氏。同時に人工知能によるアルゴリズムが人間の能力を超える歴史の転換点を生きたプロチェスプレーヤである。一流のチェスプレーヤーが試合に勝ち、ときに負けるということはどういう心境なのか、そしていまや、AIのほうがプロよりも強くなったことに対してどのような印象をもっているのか。独自のユーモアと気持ちのよいテンポで話が進んでいく。

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https://www.youtube.com/watch?v=8RVa0THWUWw

 

3.Kyle Vogt: Cruise Automation | MIT Artificial Intelligence (AI) Podcast

英語難易度:2.5/5 話すのは速めだが、発音がとてもクリアである。

 

自動運転のビッグプレーヤーであるCruiseAutomationを率いるKyle Vogt氏。工作好きの少年時代から、Cruiseを率いるまでに至った自身の歴史が面白い。Vogtが自動運転を生業とするにいたった過程にもDarpaチャレンジへかかわったことがある。

少年時代からの技術への興味、ビジネスを起こすことへのベンチャー精神、学生時代でのDarpaのような良いチャンスとの遭遇、ある技術がビジネスチャンスになりうる時代の流れ、、など数多くの要素が重なりあって、このような著名なリーダーが生まれるように思われる。

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Artificial Intelligence (AI) Podcast レビュー1

Youtube にあるLex FridmanのArtificial Intelligence (AI) Podcast。主にAI(人工知能)や物理の分野の有名人を招いてインタビュー形式でアイディアを引き出していく。いままで見た中でおすすめできるものをレビューしていきたい。

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1.Elon Musk: Tesla Autopilot | Artificial Intelligence (AI) Podcast

英語難易度:4/5 話されているフレーズは短いが、スピードは早いです。アクセントは特徴があって、Muskの出身の南アフリカのフレーバーでしょうか?字幕をつければ聞きやすい。

マスクはAI PodCastのシリーズで二回目の登場。AIの可能性を信じる力強いことばが特徴的。AI技術の発展に大変に楽観的な見通しを持っているともいえる。インタビューで見通しの理由を聞かれても、細かい技術的な裏付けはほぼ述べていないです。近い未来こうならないとおかしい、ビジネスはこうあるべきだとという信念が前面に見える。現状を踏まえた裏付けよりも、何を信じるかに意味があるのでしょう。

エレベーターはいまや自動であたりまえ。手動のエレベーターのほうが逆に危ないでしょう?自動車の運転も数年ですぐこの感覚になるはず。といったようなユニークな例えが多いのが特徴です。改めて、エンジニアというより、信念を売る事業家の言葉である。

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 2.Kai-Fu Lee: AI Superpowers - China and Silicon Valley | Artificial Intelligence (AI) Podcast

英語難易度:3/5 英語はゆっくりめで、文法がしっかりしています。フォーマルな単語をつかって正確に考えを発信している印象。

シリコンバレー企業に代表される米国企業が主導するイノベーション。一方で、努力を惜しまないメンタリティと、利益を生む手段にこだわらない企業倫理とで、サービスと商品を生み出してくる中国のアプローチ。中国で育ち、シリコンバレーで働いた自らの経験に基づいて、実際のところをクリアに説明してくれる。

英語ネイティブでなくても、ここまで自分の経験をもとに、ときに事実に対してニュートラルに、ときに自分の考えるところを主張してくるとこが印象的だ。AI分野でメディアのフロントラインに立っている数少ないアジア人だと思う。

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3.Chris Urmson: Self-Driving Cars at Aurora, Google, CMU, and DARPA | Artificial Intelligence Podcast

英語難易度:3/5 標準的なアメリカの英語

自動運転スタートアップのAuroraを率いるUrmson氏。Auroraはスタートアップの中ではよく知られた有力なプレーヤーだ。学生のときにDarpaチャレンジに参加した経験から自動運転の黎明期がどうだったかということに始まって、現在のビジネスとしてどういうステップを踏まえながら自動運転を商品化するかという考えを与えてくれる。

業界リーダーのなかでは、自動運転の可能性について現実的な味方をしている一人だろう。現状としての限界や、技術的にもビジネスとしても何が難しさとなっているか認めることができて、堅実な見方をもっている。1に紹介したマスクとは対象的。実業家ではなく、エンジニアとしての語り口である。

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Pythonで制御 その1

いままで、制御問題を解いたり、シミュレーションするときにはMatlabをもっぱら使ってきたが、最近Pythonでも同じようなことができることに気づいたので、プロモートしてみたい。 まだまだ、機能のバラエティはMatlabよりも限られている感じ受けるものの、フリーなのがなによりも良い。

python-control.readthedocs.io

こちらのコマンドでインストールしてみる。

pip install slycot   # optional
pip install control

スモークテストとして、バネマスダンパ系のシミュレーションをやってみたい。下の図のマスmに右方向の力を加えると、ビヨーンと振動を繰り返しながらも、ある一定の横位置に落ち着くはずだ。 f:id:CherryPick:20200612091453p:plain

リマインダとして、


状態空間で表現したときの、このシステムのダイナミクス(入力である力を与えたときに、変位と速度がどのように変わるか表すモデル)は、


\dot{X}=\begin{bmatrix}0 & 1 \\-k/m & -b/m \end{bmatrix} X + \begin{bmatrix}0  \\ 1/m \end{bmatrix}f

状態Xのうち、位置のほうを観測することにすると、出力方程式は、


x = \begin{bmatrix}1 & 0 \end{bmatrix}X

なお、状態Xは変位と速度から成り立っている。


X = \begin{bmatrix} x \\ \dot{x} \end{bmatrix}

上のPython Controlのホームページからデモ用のコードを借りてみる。

import os
import matplotlib.pyplot as plt   # MATLAB plotting functions
from control.matlab import *  # MATLAB-like functions

# Parameters defining the system
m = 250.0           # system mass
k = 40.0            # spring constant
b = 60.0            # damping constant

# System matrices
A = [[0, 1.], [-k/m, -b/m]]
B = [[0], [1/m]]
C = [[1., 0]]
sys = ss(A, B, C, 0)

と、ここまで書いてみてMatlabとシンタックスが全く同じである。。Pythonの場合は、ラインの末尾に;が不要なくらいが違いだろうか。 力を突然右方向に加えたと想定して、位置が時間ともにどのように変化するか調べてみる。必要なコードはMatlabでステップ応答を書くときとほぼ同じだ。

plt.figure(1)
yout, T = step(sys)
plt.plot(T.T, yout.T)
plt.show(block=False)

f:id:CherryPick:20200613064319p:plain
ステップ応答
一度大きくオーバーシュートしたのち、ある値に収束していくのがわかる。収束した0.025[m]というのが、このバネダンパ系に1[N]の力を加えたときに、定常的にバネが伸びる量ということになる。次に、

plt.figure(2)
mag, phase, om = bode(sys, logspace(-2, 2), Plot=True)
plt.show(block=False)

とすると、ボード線図がかける。ここもMatlabとシンタックスがほぼ同じだ。

f:id:CherryPick:20200613070205p:plain
ボード線図

ピークは0.06[Hz]くらいのところにある。図1の時刻歴の応答が大体17秒周期、つまりで1/17(=0.059)[Hz]で波打っているので、さきほどの時刻歴と矛盾していない。

ところで、 昨今、Matlabを使わないと簡単にはできなかった様々なことが、Pythonによって可能になっていていると感じることが増えている。学生のときからMatlabをヘビーに使ってきた身ではあるが、最近Matlabが色々な分野から駆逐されていくのではないかと危惧している。実際には、時代とともにニーズを反映したより良いツールが現れて、これまでのものを淘汰していくのは望ましいことだろう。ただし、エンジニアとしては従来のスキルセットが売れなくなってくるので、新しいツールにどんどん適用していかなければならないのが辛いところである。