【Talks at Google 】「予想どおりに不合理」(ダン・アリエリー)の紹介

英語のYouTube ビデオで面白かったものを、要約とともに紹介していきたい。

Dan Ariely氏は行動経済学者で、イスラエル出身。著書などを通して、私たちの意思決定というものが、いかに理にかなわないものか主張している(↓この講義からのイメージ)。

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一方で、そういった意思決定は、不合理ではあるが、そのパターンは予測可能なものだとも述べている。

今回はTalks at Googleへの出演。

 

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ハイライト

  • 騙し絵の錯覚に、わかっていながら何度も陥ってしまう。視覚ですらこのように簡単にだまされるのであるから、視覚以外の錯覚についても身の回りにあると考えるのが自然だろう。(7:56)
  • 意思決定の背景が複雑になると、我々は決定に主体性がなくなって、あらかじめ決められたデフォルトの選択肢を選ぶようになる。実は、我々は好みや本当にしたいことが元から決まっていないことが多いのだ。(11:13)
  • 似たような選択肢選ぶ場合、本質的ではない取るにならない要素によって意思決定が影響される。たとえば、似すぎていて混乱させるような選択肢がいくつかあると、まったく違う選択肢が選ばれがちになる。また、おとりになっている第三の選択肢のありなしによっても結果がかわる。選択肢の数が多すぎても混乱を招いて意思決定に影響を与えてしまう。(25:34)
  • 人は、ほんの少しだけ、自身の利益にかなうように、小さな嘘をついたり、誇張したりということをする。大抵の人は少ししかズルをしない。自己的なイメージとして、善良な人間でいたいからだ。どのくらいズルをしがちか、というのは環境によってかわる。同じ価値でも現金よりモノのほうが盗られやすかったり、あらかじめ誓約をしたほうがインチキをしにくくなったりと、環境が個人の倫理観を刺激するかどうかが効いてくる。(31:40)
  • ここにいる人たちで実験してみよう!一度モノを所有してしまうと、所有していない者よりも、そのモノの価値をより感じるようになる。この場の簡単な実験でわかるように、価値というものは主観的な観念である。(50:42)

 

選択の自由があることは、一見良いようにみえて、我々はかえって混乱するのかもしれない。現代は、祖父母の時代などと比べて、人生設計の自由度があって、多くの場面で好きなものを選択する自由もある。だけど、そんなときに合理的な選択をできているかと言われるとそうでもなさそうだ。

 

面白そうだと思ったら、一度観てみてください。